OVERVIEW

「Face Records」「Ecostore Records」ブランドを運営し、中古盤中心のアナログレコード販売だけでなく、廃棄レコード０をめざした買取サービスも展開しているFTF株式会社さま。アナログレコードを「文化を継承していくツール」と位置づけ、世界にその魅力を発信し続けています。ご依頼いただいたのは、事業拡大の土台となり、加速させていくためのブランディングでした。

「理念なんてダサい」そんな先入観を覆したい。

まず取り組んだのが企業理念の言語化。代表の武井さまは、会社にまつわる印刷物やロゴを自身で考案するなど、カルチャーへの知見、そしてこだわりが強い方。加えて音楽やカルチャー好きな社員さんが多い中で、いかにその感性を壊さず、多くの人に伝わるメッセージに仕上げるかが言語化の課題でした。そのため、ヒアリングやディスカッションの一部は社員参加型に。音楽やアーティストなど、身近な題材をワークショップに取り入れるなど、FTFさまの温度感や「かっこよさ」の基準を探りながら、プロジェクトを進めました。

感性を共有して生まれたコーポレートメッセージ。

言語化の中でも、特にこだわったのがコーポレートメッセージ。端的に、覚えやすく、という武井さまの想いのもと、幼少期から遡るヒアリングや、思い入れの深い楽曲のプレイリストをご提供いただくなど、情報だけでなく感性も共有することで、FTFさまの本質へと迫りました。

MUSIC GO ROUND に込めた大きな愛。

こうして生まれたコーポレートメッセージ「MUSIC GO ROUND」。音楽業界で働く人たちが、もっと誇りを持ち安定して働ける社会をつくること。価値あるカルチャーや埋もれているカルチャーを継承し、世界へと伝播していくこと。FTFさまから世界を変えていくという、揺るぎない想いがこの一言に集約されました。

なんのために存在するのかを再定義

商売を見れば、中古レコードの買取販売。しかし、そもそもどのような価値を社会に提供したいのかを突き詰めていったときにあったのは、文化の継承でした。たとえば音楽を扱っている今現在があるけれど、クリエイティブなものや文献は過去から現在、そして未来へと継承されていく必要がある。そう考えたときに、FTFが担うのは良い文化継承である＝GOOD REVIVALととらえ、GOOD REVIVAL COMPANYを存在意義そのものとして掲げました。
また、そのその大切にしたい考え方を自分たちらしく実行していくために、大切にしたい価値観をVALUEとして定義しました。特に、POWER OF FREEDOM‐自由の力を証明する‐には、音楽業界という独特で自由な世界（ビジネス化が難しいクリエイティブな世界）において、必ずビジネスでも一流の会社になるんだという強い意志を表現しました。

浸透施策としてワークやツールを制作。

理念の浸透を図るため、社員向けのワークショップを開催。また、理念の社内ローンチに向けて、ツール制作もお手伝いしました。

長期ビジョンと事業構想をセットで策定。

30年先を見据えた長期ビジョン策定フェーズでは、言語化ととも事業構想の可視化をご提案。ミッションである「GOOD REVIVAL COMPANY」を体現していくための事業構想を10に分解し、レコードや循環をイメージする円として表現した「10GOOD REVIVALS」を一つのビジョンマップとして完成させました。

どこにもない、マネできない「理念体系図」。

策定した理念体系を、継続的に社内に浸透させるにはどうすれば良いか。ブレストを重ねる中で出てきたのが「蓄音機」をモチーフに可視化するというアイデア。蓄音機の部位に理念を当てはめて説明することで、音楽好きの社員さんたちに親しみやすくなるのではという考えでした。武井さま自ら約100年前のアンティークをご用意してくださり、それを元にイラストに。当時のアメリカの通販カタログを彷彿とさせる、まさにGOOD REVIVALな理念体系図が完成しました。

まだまだブランディングは始まったばかり。

ビジョンの実現はもちろんのこと、お付き合い当初から話をしていた「音楽を仕事に選んだ人が誇りをもって安定して働ける会社に」「ビジネスとして音楽業界が成り立っている状態をつくる」といったの理想を実現にするために、組織としての足腰を強くしていったり、家業から企業へと変わっていくステップにおいてはお力になれることがたくさんあります。その伴走者として。成長ステージに合わせたブランディング支援を通し、30年ビジョンの実現に向けて走り続けるFTFさまのご支援をこれからもつづけていきます。