JOURNALお伝えしたいブランドのはなし
魂を見つめ直した先にあったのは、コーヒーへの揺るぎない愛。
GIFT*カケル#1 ソロフレッシュコーヒーシステム株式会社(UCC) 代表取締役社長 柳原 優樹さま
GIFTにとってブランディングは、お客さまとともに創り上げる“かけざん”のようなもの。そんな、お客さまとの幸せなかけざんを振り返るGIFT*カケル。#1はUCCグループ独自のカプセル式コーヒーシステム「ドリップポッド」の開発・販売を手がける、ソロフレッシュコーヒーシステム株式会社さま。今回は代表取締役である柳原さまにご登場いただき、新規事業におけるブランディングの価値や生まれた変化について、GIFT代表の池戸と語っていただきました。
言葉にできなかった想いを、歴史から紐解く。
池戸:柳原さんは2017年にソロフレッシュコーヒーシステムの代表取締役社長に着任されたんですよね。まず始めに社内へどのような印象を持たれましたか?
柳原さま:ドリップポッドを新規事業でやっていくぞ!という意気込みはあったけれど、UCCの中でも一杯抽出マシンをつくって販売していくことが初めてだったので、まだ様子見の状態。事業としては伸び悩んでいました。半分予想はしていましたが、どうにか空気を変えていきたいなと思ったことを覚えています。
池戸:だからこそまずは、ブランディングをしようと思われたのですか?
柳原さま:新規事業の肝は、愛を持っているかどうかだと思っています。なぜなら、自分が愛しているものをやらないと、事業、商品、サービスは大きくならないし、やる意味を見出せない。まずは社員が心からドリップポッドに愛を持っているのか、自信があるのか。事業をやる意味、持っている可能性を見つけるところから見つめ直さないといけない。そう思ってブランディングに着手しました。でもそれって実は半分UCCにも言えたことなんですよね。だからブランディングは大袈裟な話ではなく、ドリップポッドを売るためだけじゃなくてソロフレッシュという会社、UCCという会社全体を変えていくつもりで取り組みました。
池戸:実はそんな壮大なことに関わらせてもらっていたのですね。
柳原さま:そうですね(笑)これはソロフレッシュだけではなく、UCC全体のすごいところでもあるんですが、自分たちのコーヒーが一番おいしいと誇りを持っているし、品質もこだわっているという自負がある。その一方で、実際の現場では価格競争で売り込んでしまっていることもあったんです。いやいや、自分たちのコーヒーがどこよりもおいしいと自信を持っているんだよね?と、もどかしく思うこともありました。せっかくこだわってつくっているのだから、自信を持って品質の良さを世の中に伝えていきたいよね、と。
池戸:そういえば私たちの最初の提案は「カップから農園まで手がけている」と、まずはUCCさんの歴史を遡ったところからお話をさせてもらいましたね。
柳原さま:GIFTさんに「ドリップポッドって実はUCCの長い歴史の終着地点である」という話をしてもらったときに、社内の何かが変わった気がしたんです。そこが大きなターニングポイントの一つだったように思います。「ドリップポッドにはUCCの全てが詰まっている」その事実に誰よりも一番心が動いたのはUCCグループのオーナーでした。それは提案いただいた言葉に、パワーがあったからだと思っています。
池戸:ブランディングを始めてから、社内でドリップポッドの立ち位置に変化はありましたか?
柳原さま:ガラッと変わりました。他グループの社員から「一緒にこんなことをやってみたい」と声をかけられることが増えましたし、自分たちがやっていることに関心をもってくれていると感じるようになりました。元々社員は自分たちの品質に自信を持っていたし、入社当初からコーヒーへ強い想いを持った人たちが集まっていたので、GIFTさんにつくってもらったキャッチコピーの「農園からこだわった、まっすぐな一杯」は会社全体にダイレクトに響いたんだと思います。ドリップポッドのブランディングがUCC全体に波及して、そもそも私たちって何者なんだっけ?という根本を見直すきっかけになったと思っています。
魂から見つめ直すブランディング。
池戸:ブランディングのパートナーとして選んでいただいて有難いです。手前味噌で恐縮ですが、GIFTがお手伝いさせてもらったことに価値を感じていただいたエピソードがあれば伺いたいのですが。
柳原さま: ドリップポッドだけでなく親会社から遡り、見つめ直してつくったキャッチコピーや、自分たちの伝えたいブランドのストーリーを言葉で表現してもらったときですね。そしてそれをリリースしたとき、社内、社外問わず周りに理解してもらえたことで、正しいメッセージを正しく抽出でき、正しく伝えられていることを実感しました。自分が良いと思ったものに間違いはなかったんだ!と思えましたし、本来の目的通りに進んだことで一緒に良いものをつくっていけた実感が湧きました。
池戸:柳原さんはご経歴からもブランディングには詳しいと思いますが、GIFTのブランディングは他社とどのような違いがあると感じますか?
柳原さま:他社とGIFTさんって、ブランディングの捉え方が違うと思っています。良し悪しではなく、ブランディングをマーケティングの考え方や手法に近い角度から取り組む会社もたくさんありますよね。それが市場全体を捉えた「外から見たブランディング」だとすると、GIFTさんは相反して内側から変えていく「魂に近いブランディング」という感じがします。私はコンサル出身なのですが、企業を人・物・金でしか捉えていなかった時期もありました。でも途中で気付いたんですよね。結局、人・物・金って、器の部分であって、外側でしかないなって。
池戸:そう思うと僕らのやっていることって、数字を残すことにスピード感を求められる企業にはまどろっこしいと感じるかもしれないです(笑)
柳原さま:大企業の場合は、ある一定程度のブランドの基盤が世の中に浸透している中で、じゃあ製品をどのようにつくって戦っていこうかという戦略の話になる。ブランディングの概念が、GIFTさんとはまた違うんです。そう考えるとUCCは珍しく、これだけ規模があってしっかりした商品を持っているのに、その魅力を世の中へ表現しきれていない会社でした。自分たちは、創業者の熱い想いや魂から事業発展をしているので、そこから掘り返していかないと強いブランドは生まれないんじゃないかなと思っていました。まさにGIFTさんの「魂に近いブランディング」とマッチしたと感じますね。
池戸:ありがとうございます。そこは僕たちとしても、うまく組み合わさったなという感じがしています。
自分たちは何者なのか、一緒に見つけた根っこの部分。
池戸:GIFTは柳原さんが話してくださったような、内側から変えていくブランディングという信念に共感してもらえる方々とお仕事ができているなと改めて感じました。柳原さんたちとのプロジェクトは、自分たちの大切にしているものを再確認する機会でもあったと感じています。
柳原さま:GIFTさんがやっていることって、ブランディングの中でも根底の部分ですよね。何を伝えるとか、自分たちは何者なのかとか、ドリップポッドではそういったところをご一緒したと思っています。
池戸:最後に、こんな課題感を持っている会社はGIFTと合うのでは?というものがあれば、ぜひ聞かせていただきたいです。
柳原さま:そうですね。ふんわりした言い方になるかもしれませんが、外から見たら自信を持っているように見えるけれど、本質的に自信を持ちきれていない会社、というイメージでしょうか。一緒に自分たちの魂を紐解いていってほしい、そして自分たち以上に理解をしてくれて、見ていてほしいと望んでいる。その上で言葉やツールで表現をしてほしいという会社と相性がいいのではないでしょうか。
池戸:うれしいです。僕らからしても、そこは他社には真似できないだろうなと思っていて。お客さまのことを、お客さま以上にたくさん考えていることには自信をもっています。本日はありがとうございました。
ドリップポッドブランドサイトはこちら
GIFT*カケル GIFTにとってブランディングは、お客さまとともに創り上げるもの。だからお仕事をさせていただく中で、私たち自身もお客さまから学び、知ることがたくさんあります。GIFT*カケルでは、そんなGIFTとお客さまの幸せなかけざんを、お客さまと一緒に振り返ります。