CI -コーポレートアイデンティティ- 企業ブランドの確立 / アウターブランディング
400年の歴史を紡ぎ、次の500年へ。
- CLIENT
- 穏田神社
- 成果物
- 理念言語化 イベント企画・支援 広報・PR
OVERVIEW
渋谷、表参道、原宿のちょうど真ん中あたり。原宿駅から表参道にかけて広がる、かつて「穏田」と呼ばれていた地域に400年続く『穏田神社』。日本の流行を生み出す中心地と言っても差し支えないこの神社を守る宮司は、まだ20代の歳の女性だった。若き宮司からの1本の問合せから始まった、100年先を見据えた神社のブランディングをご紹介します。
突如やってきた、宮司の立場。
宮司を務める船田睦子さんから、ギフトに問合せがあったのは2021年。コロナ問題に世界が揺れる真っ只中のこと。自らが宮司を務める、渋谷にある穏田神社のブランディングを考えているとの相談がスタートだった。さっそく神社に伺って話を聞くと、悩みを抱える若き宮司がいた。人の入れ替わりが激しい地域で、神社の存在が薄くなっていく危機感がある中で、輪をかけてコロナで来訪者も減っている。突如神社を継がなければならなくなったが、相談できる相手もいなく、思いつく限りの手は打ってきたが手応えはない。軸もなく対応策をうちつづけても意味がないとわかっていても、日々の業務に追われて考える時間もない。限界を感じる中で思い至ったのがブランディングで、問合せを決意したのだった。
5年、10年ではない。100年先へ。
神社は、営利目的に事業を行う場所ではない。けれど、神社経営に苦しむ全国の神社では倒産・廃墟化のニュースが後を絶たない中、渋谷にある神社とはいえ生き残りを考えていかなければならない状況は必然。むしろ、若い人が多い地区だからこそ、神社というものに触れたことも少ない人たちにもその存在を伝えていかなければいけない。見据える先は、5年、10年ではない。100年先も地域に愛されつづける神社であるために、今できること。数十年単位でやっていくべきことを、腰を据えて考えていくプロジェクトがはじまった。
ひとりじゃない、同志がいること。
プロジェクトのスタートは、まず渋谷のこと、穏田地区のことを知ることからはじまった。どんな場所で、どんな人たちに愛され、どうやって今日までやってきたか。これまで愛されてきた理由を探りながら、変えてはいけなものと、時代に応じて変わっていくべきものを探していった。まずは神社の理念を言語化した上で、その理念を実現するためにやるべきことを少しずつ始めていくと、周りからの反応はもちろん、宮司の船田さん本人の顔つきが変わっていった。ひとりじゃない、と思ってもらえたことも大きく、なによりもこれから訪れるかもしれない荒波を乗り越えていくための覚悟を共有できる仲間になれたことが、私たちにとってもうれしいことだった。取組みはまだ始まったばかり。少しずつ、形になっていくブランディングの施策も楽しみなプロジェクトになっている。
神社理念言語化
非日常の中でブランドを考える、ギフトのブランディング専門施設(@逗子)にて合宿形式で神社理念を言語化。穏田地域のこと、穏田神社のこと、船田さん自身のこと。さまざまなことを振り返りながら、神社の価値を言葉にしていきました。そして、もともと祀られていた美と縁結びの神様の解釈を「礼節や伝統を知ることで外側だけでなく内側を磨くことでにじみ出る美しさ」であったり「男女だけにとどまらない、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の人たちが関わって生まれるご縁」と再定義。神社の伝統に触れられて、年齢関係なく交流ができる場として、日本の真ん中で人々が集まる中心地にしていくことをビジョンとする理念が生まれました。
イベント企画・支援『夏詣』
かけられる予算も人もない中で、まず始められることはこれまで行っていた行事のリニューアル。中でも夏詣(初詣の夏バージョン)では、コロナでも行える規模の小さな花火大会を企画しました。いまでは珍しい国産の線香花火を東西から集め、そのルーツから伝統工芸の知識を知りながら夏の思い出を残してもらう企画には、告知をしてすぐに応募が満席に。ご参加いただいたのは、ご家族やカップル、地域の方や遠くから来られた方まで様々で、自由に遊びに行けない中でも心に残る夏の思い出を胸に刻んで行かれました。
イベント企画・支援『例大祭』
毎年9月に行う大きな祭り「例大祭」は、表参道の街を神輿が練り歩く一大イベントでしたが、残念ながらコロナで中止。そんな中だからこそ、神輿だけでも見に来ようと訪れてくれる方のために、過去の例大祭の写真や情報を集めた展示スペースを設計。懐かしい写真や情報を見に来てくださる地元の住民の方もいらっしゃいました。また、地域の子供に向けては、くじ引き大会を実施。地元の商店街の協賛も得て、子どもたちは大喜びでおもちゃやお菓子を当てて、持ち帰りました。
広報・PR
予算をかけずにできる認知を高める施策の一つとして、PR活動を実施。
渋谷と原宿の間で400年つづく神社で。その宮司は20代の女性。世間からの注目を集める要素があることはわかっていましたが、打ち上げ花火のように、消費されるおもしろ情報として扱わるのは本望ではないため、事前に入念にプランニング。プレスリリースの作り方や、アプローチするメディアもじっくり選定してPRを行いました。
結果的には、地域新聞、カルチャー系サイトや全国紙、キー局の情報番組など様々な媒体に露出。成果を残すことに成功しました。
VI制作
神社のロゴマーク、小冊子、御朱印帳、紙袋の制作・デザインをいたしました。
穏田神社 https://onden.jp/
MORE WORKS
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