
株式会社河合楽器製作所
- CATEGORY
- 楽器メーカー
- AREA
- 静岡県
- PRODUCTION TIME
- 2024/1〜2024/9
ブランドに込めた想いと価値を最後まで届ける。
- STEP 1課題
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河合楽器製作所として大切にしてきた理念やブランドに込めた想いがあるものの、一般のお客様にその想いや、価値が十分に伝わっていない。
- STEP 2施策
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関係者へのヒアリングやアンケート、実際の店舗や現場への視察を行い、得られた情報の整理・分析。見えてきた課題を解決するにはどのようなコンセプトを開発する必要があるかを定義しました。その上で、ブランドの核となるコンセプト・タグラインのご提案を行い、体験価値を届けるためのクリエイティブツールの設計・ご提案。ツールの制作や商品撮影のうえ、最終的には各種制作物を店頭での展開を実施しました。
- STEP 3結果
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ブランディング実施後は一貫した世界観で商品の魅力を伝える流れを設計、実施したことで、販売台数が増え、念願だった業界1位を獲得。 今回対象だったブランドだけでなく、シリーズ全体のコンセプトまでも策定。
WORKFLOW - 2024/1〜2024/9
課題
河合楽器製作所様は、創業以来「音楽の楽しさをすべての人へ」という理念のもと、ピアノづくりに真摯に向き合いつづけてきた。電子ピアノの開発・販売においても、その想いや価値を大切にしてきましたが、実際のお客様には十分に伝わらず、商品の本質的な魅力が理解されにくいという課題が。この、想いの伝わりにくさは販売台数にも影響し、業界2位の位置にとどまる一因となってしまっていた。
加えて、電子ピアノ業界全体としても、コミュニケーションの世界観がやや古風で、「経済的に余裕のある人だけが楽しむもの」という印象を与えてしまう傾向があった。結果として、ピアノが日常の中で誰もが楽しめる楽器であるという本来の価値が生活者に届かず、ブランドと生活者の間に距離が生まれてしまっていた。河合楽器に求められていたのは、理念を現代の感性で再解釈し、今の時代にふさわしい形でピアノの楽しさを届け直すことだった。
施策・プロセス
電子ピアノ業界は競合他社との差別化が難しく、各社の製品差が見えづらくなっている状況。機能面での優劣だけでは選ばれにくく、価格で判断されがちな中で、「KAWAIだから選ばれる」という独自の価値をどうつくっていくかも重要だった。
まずはマーケティング部やデザイン室、開発企画など多角的な視点からヒアリングやアンケートを行い、現場視察も実施した。これにより、市場動向や歴史の深掘りを含めて情報を整理・分析。その結果、商品には「もっと伝えたい、感動を。」のKAWAIの理念が根付いていることが判明。一方で、機能ばかりが前面に出ている現状もあり、河合楽器製作所さま独自の想いが生活者には十分に伝わっていない現状が浮き彫りに。
「エントリーモデル」からの脱却、そして創業時からの「美しい音楽を耳にしたときの感動、初めてピアノを手にしたときの喜び、弾けなかった曲が初めて弾けたときの満足感を、世界中のお客様に伝えたい。そして、お客様とともにその感動を分かち合いたい」「庶民には手が出なかったピアノのイメージを覆す」ことや、KAWAIのスローガン「もっと伝えたい、感動を。」をしっかり込めた新しい言葉を生み出すことが、「CN201」の新しいコンセプトになると考えた。
その後、コミュニケーションコンセプトとして「はじめての『好き』をつくるピアノ。」と、CNシリーズ全体を象徴する「家族の一韻」を開発。単語の細かいニュアンスまで丁寧に議論し、全メンバーでの度重なる検証を重ね決定。単に「売れるためには」ではなく、ブランドの長期的な成長や発展を踏まえて、販促ツールはWebサイト、ストーリーブック、店頭POPなど多様に設計し、それぞれの場面で一貫した世界観を届けることを重視し、実行に移した。
結果
ブランディング実施後、CN201の販売台数は右肩上がりで伸び続け、競合を抜いて念願の業界1位を獲得。現在も安定的に販売を拡大しており、理念と価値を再定義し、それを生活者に的確に伝えるコミュニケーションを設計したことで、商品の売り上げの一助に。
「大切にしてきた理念が、お客様に十分に伝わっていない」という課題を解決する過程では、創業者の想いと河合楽器製作所さまの100年におよぶ歴史を丁寧に紐解きました。企業の原点に立ち返り、その本質的な価値を再定義したことで、結果的にCN201だけでなくシリーズ全体のコンセプト創出へと発展。1つのブランド再構築が、企業全体の方向性を照らすきっかけになった。






